摺物絵(すりものえ)の絵画買取なら高額査定の可能性!SATEeee絵画買取へ
1.摺物絵作品を売りたいお客様へ
摺物絵は、狂歌師や歌舞伎役者、商人などの私的な注文で制作された浮世絵の一種です。有名絵師や摺物絵専門の絵師が手がけた縁起の良い図柄に、狂歌や暦などが添えられているのが一般的な摺物絵です。発行部数が少ない上に、技法や材料に贅を凝らして印刷された貴重なものでもあるため、作者や出来栄えによっては大変高額で取引されることもあります。
このページの目次
2.摺物絵についての解説
摺物絵は、江戸時代に制作された一枚摺りの浮世絵版画の一種で販売されるのではなく、趣味人たちが仲間内で配ったり交換したりするために作られました。狂歌や暦とともに縁起の良いモチーフが描かれるのが一般的で、歌舞伎役者の襲名披露や店の宣伝などのためにも制作されました。当時の人気絵師達が手がけた図柄が、高度な技法や贅沢な素材を駆使して刷られています。
3.摺物絵についての歴史
摺物絵は、1770年代頃から盛んに制作されるようになり、100年間ほど流行しました。狂歌師や俳諧師が自作の歌を添えて新年の挨拶替わりに配るようになったのが始まりです。また、その年の暦を絵に添えて配った絵暦の交換会も盛んに行われるようになり、摺物絵の発展を促しました。当初は正方形に近い形でしたが、1790年代より二つ折の形状も作られるようになりました。鈴木春信や葛飾北斎など有名絵師が手がけ、魚屋北渓など摺物絵を専門とする絵師も現れました。
4.摺物絵作品の特徴について
摺物絵は、私的な注文により制作されたため、版木を紙に押し当てて立体感をつける「空摺り」や、金銀の箔を用いた「金銀摺り」、雲母を使った「雲母摺り」など、最高級の和紙と顔料、技術を用いた贅を尽くしたものが作られました。画題は、鶴や亀、獅子、金太郎や布袋など縁起物が中心ですが、風景画や美人画、役者絵なども描かれました。19cm×21.5cmが標準サイズで、のちに横長で二つ折りのものも作られるようになりました。
5.摺物絵作品の買取査定ポイント
摺物絵は木版画ですので、同じ作品が複数存在しますが、通常の浮世絵に比べて点数が少なく貴重とされています。摺物絵の査定においては、作者が著名な絵師であり、画中に落款が確認できれば、高額買取になる可能性があります。使用されている技法や素材、摺りや彫りの出来栄えに加え、画題によっても査定額が変動します。焼けや虫食いの有無といった保存状態も査定額に影響するでしょう。
代表的な査定ポイント- 著名な絵師の作品であるかどうか
- 彫りや摺りの出来栄えが良いか
- 画題は何か
- シミ、焼け、破れなどがないか
- 落款が確認できるか
- 購入時期や金額、入手経路がわかっているか
6.代表的な摺物絵作家の買取相場価格について
摺物絵は、鈴木春信や葛飾北斎、喜多川歌麿など有名浮世絵師達が私的に注文を受けて制作されたものから、魚屋北渓など摺物絵専門の絵師による作品などが存在しています。サイズが小さくシンプルな絵柄のものでは数万円から取引がありますが、有名絵師の貴重な作例であれば、数十万円の高額で取引される可能性もあります。
魚屋 北渓 作 『鬼若丸の鯉退治』
魚屋北渓は、蹄斎北馬とともに葛飾北斎門下の双璧をなす浮世絵師で、狂歌本や狂歌摺物を多く制作したことで知られます。『鬼若丸の鯉退治』は、45cm×120cm、横長二つ折の摺物絵で、青陽館梅世の注文で制作されました。背景の波模様が雲母摺りと空摺りで豪華に表現されたもので、ネットオークションでは184件の入札を集め、15万3,000円で落札されました。
魚屋 北渓 作 『茶器図 摺物』他 二点組
魚屋北渓の『茶器図 摺物』は、21.1cm×18.1cmの摺物絵です。喜多川月麿による摺物絵で18.3cm×16.6cmの『玉巵弾琴図』と二点組でオークションに出品され、2万円~5万円の予想落札額に対して、約4.8倍の9万5,000円で落札されています。本作品は絵柄は茶器のみで使用された技法もシンプルですが、人物や吉祥図案をモチーフとし、より凝った刷りの作品であれば、さらに高額の査定も期待できるかもしれません。
喜多川 歌麿 作 『実競色乃美名家見 おさんと茂兵衛』
1700年代後半に活躍した喜多川歌麿は、美人画を得意とし、葛飾北斎と並んで国際的に人気のある浮世絵師です。歌麿の大判錦絵『実競色乃美名家見 おさんと茂兵衛』は、浄瑠璃の情話に題材をとり、恋人同士の男女二人の半身像を描いたシリーズのうちの1点で、1789年~1801年に制作されました。オークションでは100万円で落札されています。歌麿の摺物絵がオークションなどで取引される事例は稀ですが、『正月の雪』(東京国立博物館蔵)などの作例は確認されています。もし出品されれば、極めて高額になることが期待できます。
7.摺物絵の買取についてのまとめ
摺物絵は、鈴木春信や葛飾北斎など有名絵師が手がけたものから、魚屋北渓など摺物絵を専門とした絵師の手によるものまで、いずれも注文主の意向を反映した個性的な作品が多く、見飽きることがありません。錦絵よりも小さいサイズのものが多いですが、制作数が少ない点が貴重で、作者や出来栄え、趣向によっては高額の査定が期待できるでしょう。
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