幽霊画(ゆうれいが)の絵画買取なら高額査定の可能性!SATEeee絵画買取へ

1.幽霊画作品を売りたいお客様へ

幽霊画は、江戸中期から明治にかけて流行した日本画や浮世絵のジャンルで、文字通り、亡くなった人の魂、幽霊を描いた絵を意味します。円山応挙を始め、葛飾北斎や月岡芳年などの有名絵師たちも手がけました。幽霊画は現代でも人気があり、夏になるとしばしば美術館で企画展が開催されます。肉筆画、錦絵ともに人気があり、有名絵師の作品は高額で取引されています。

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2.幽霊画についての解説

江戸時代は、妖怪や幽霊などの怪異譚や図像の収集や、幽霊を扱った歌舞伎や見世物を楽しむことが流行しました。幽霊画もその流行の一端をなし、円山応挙や月岡芳年が描く肉筆画と、歌舞伎の演目や歴史上の幽霊像を描いた芝居絵や武者絵、すなわち錦絵の二つの系統が存在します。透かしやぼかしの絶妙な表現で真に迫る肉筆画と、幽霊がキャラクター化されダイナミックに描かれる錦絵、それぞれに魅力があります。

3.幽霊画についての歴史

江戸中期以降に描かれる幽霊画のルーツの一つとしては、江戸初期に活躍した絵師・岩佐又兵衛の『山中常盤物語絵巻』に描かれた白装束の常磐御前が挙げられます。足のない幽霊像は、1670年頃の浄瑠璃本の挿絵にすでに認められますが、江戸中期の絵師・円山応挙による迫真的な幽霊像がそのイメージを確立したと言えるでしょう。幽霊を描いた肉筆画や錦絵は、江戸後期から明治中頃まで流行し、その後廃れていきますが、大正期の上村松園や現代の松井冬子などの作品にその影響を見ることができます。

4.幽霊画作品の特徴について

幽霊画は、肉筆画と木版による錦絵とに大別できますが、前者は絹の上に、暗く淡い色使いでぼんやりと浮かび上がるような幽霊の姿が表現されるのが一般的で、やつれた肌や乱れた髪の繊細な描写は極めて迫真的です。錦絵では、歌舞伎の舞台で役者達が立ち回る場面を絵がいた歌川国貞や、百物語を題材に幽霊を大首絵のように描いた葛飾北斎など、いずれも色鮮やかで迫力に満ちた作品が生み出されています。

5.幽霊画作品の買取査定ポイント

幽霊画は、江戸中期から明治初期まで大変流行し一ジャンルを築くほど多くの作品が描かれましたが、円山応挙や葛飾北斎ら有名絵師の肉筆画となると大変貴重なため高額で取引されています。当時より人気があったためか贋作も多く作られているので、買取査定では真作かどうか証明する鑑定書があると高額な評価につながるでしょう。画題や出来栄え、保存状態によっても価格は変動します。

代表的な査定ポイント
  • 有名絵師の真作であるかどうか
  • 鑑定書、来歴の記録の有無
  • 購入時期や金額、入手経路がわかっているか
  • シミ、焼け、破れなどがないか
  • 出来栄えは良いか
  • 表装の種類
  • 掛け軸のサイズ(高さ、横幅をご確認ください)

6.代表的な幽霊画作家の買取相場価格について

幽霊画は、作者や画題や保存状態などによって、幅広い価格帯で取引されている上に、贋作も多数流通しています。幽霊画の掛け軸においては制作年の古い作品ほど保存が難しく、現存している作品のうち状態の良いものは希少価値が高くなる傾向にあります。また作家が著名な人気作家であればより高額な査定も期待できるでしょう。

月岡 芳年 作 『姑鳥図』

月岡芳年は幕末~明治初期に活躍した浮世絵師で、残酷絵や独特の美人画で知られ、新聞挿絵などでも活躍しました。幽霊画にも優れた作例があり、死んだ妊婦が化けて出た妖怪「姑獲鳥」は幽霊画ファンの間でも人気の画題です。『姑鳥図』もその系統の作品で、ネットオークションに出品されると125件もの入札を集め、12万7,000円で落札されました。

月岡 芳年 作 『幽霊之図 うぶめ』

同じく月岡芳年の手による絹本着彩の肉筆浮世絵で、画題も上記と同様の妖怪「姑獲鳥」です。赤子を胸に抱き、下半身が血まみれの後ろ姿の女幽霊を儚げに描いた、大きさ56cm×130cmの作品で、132件の入札があり12万6,000円で落札されました。絵柄は慶應義塾大学所蔵の同名の作品と同じで、真贋不明ですが人気の作品であるためか高額で落札されています。

葛飾 北斎 作 『お岩さん』他 計5枚

『富嶽三十六景』や『北斎漫画』で世界的に知られる浮世絵師・葛飾北斎も、『生首図』などグロテスクで怪奇的な画題を手がけています。『お岩さん』は、あまりの怖さに売れ行きが伸びず5作で打ち止めとなった「百物語」シリーズのうちの1枚で、ネットオークションで5作が同時に出品された際には25万円で落札されました。北斎の錦絵であれば1枚でも数十万円を下らない上、作品の状態が極めて良いため、復刻木版画の可能性が高いものの、高い落札額での取引が人気のほどを示しています。

7.幽霊画作品の買取についてのまとめ

幽霊画は恐ろしいだけでなく儚く繊細な表現も魅力で、江戸後期から明治初期にかけて流行した怪異表現を知る上でも重要な歴史資料です。有名絵師の作品は高額での取引がありますが、贋作が多いので真作と証明できることが重要です。保存状態や出来栄えが良い作品は高価買取につながる可能性が高いため、お手元に幽霊画の掛け軸や錦絵をお持ちの方は、一度査定をご検討してみてはいかがでしょうか。

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