陶板画(とうばんが)の絵画買取なら高額査定の可能性!SATEeee絵画買取へ

1.陶板画作品を売りたいお客様へ

陶磁器の技術を用いて制作された絵画である陶板画は、艶やかな表面が魅力的で、日光による劣化や温度変化に強いため、耐久性に優れています。ドイツのマイセンやフランスのセーヴルなどで職人が絵付するオリジナル作品に加えて、画像の転写や焼成に高い技術を要する名画の複製作品が存在します。油彩画などに比べると比較的手が届きやすい価格で取引されますが、骨董品の価値が高いものや著名な画家の作品では数十万円の落札事例も見られます。

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2.陶板画についての解説

陶板画には、過去の名画を複製したものと、絵付師によるオリジナルのものの大きく分けて2種類があります。名画を複製する際には、原画の写真データを特別な技術で陶板表面に転写した後、数回に渡って焼成し、筆遣いや細部の色の違いを職人の手で修正、再び焼成します。絵付師によるオリジナルの陶板画は、写真データを転写するのではなく、雛形となる絵柄が職人の手によって直接陶板に描かれた後、焼成と修正を繰り返して出来上がるものです。

3.陶板画についての歴史

陶磁器技術による絵画の最初期の製品は、18世紀半ばのプロイセン王立磁器製陶所(KPM)で作られたと言われています。当初は宗教的なテーマが多くみられましたが、やがて名画の複製や風俗画、美人画などの広がりを見せました。ドイツでは、KPMの他にマイセン、デンマークではロイヤルコペンハーゲン、フランスのセーヴル窯、イギリスのロイヤルクラウンダービーといった名門が陶板画を制作するようになりました。日本では、ノリタケやオーミ製陶などが陶板画を制作しています。

4.陶板画作品の特徴について

陶磁器と同様の技法で制作される陶板画は、紫外線による劣化や温度・湿度による変形、汚れや虫食いの恐れがほとんど無く、制作当初の色や状態が長く保たれることが最大の特徴です。名画の複製にしても、製品として複数制作されるオリジナル陶板画にしても、目指すべき色彩や質感を達成するために高い技術を要し、また、繰り返し焼成や修正を行う手間がかかっていることから、芸術的な価値が認められ、他の絵画技法同様に高額で取引されることもめずらしくありません。

5.陶板画作品の買取査定ポイント

陶板画の買取査定においては、まず、職人の染付によるオリジナルの場合、KPMやマイセンといった名門窯の作品、とりわけ人気デザイナーの絵柄の作品が高額で取引される傾向にあります。名画の複製作品の場合には、近代と現代の画家の作品であれば、本人か遺族の監修の下に制作されたもので、サインや保証書、エディションナンバーが付与されているものが高く評価される可能性が高いでしょう。欠けが無いかどうかや額装の状態もポイントです。

代表的な査定ポイント
  • 名門窯の作品であるか
  • 著名な画家の作品であるか
  • サインや保証書があるか
  • エディションナンバーが付いているか
  • 状態は良いか
  • 額装に問題はないか

6.代表的な陶板画作家の買取相場価格について

陶板画は、まずヨーロッパの名門窯の作品に高い芸術的価値が認められ、2010年1月放送の鑑定番組では、19世紀のロイヤルクラウンダービーの作品が45万円の鑑定結果となりました。マイセンやKPMの作品はネットオークションでも数十万円以上の落札事例があります。近現代の著名な画家、例えば、東山魁夷や平山郁夫の作品は、数万から数十万円で取引されています。

平山 郁夫 作 『飛天群舞』

平山郁夫は昭和中頃から平成にかけて活躍し、シルクロードの画題などで人気を博した日本画家です。『飛天群舞』は、35cm×75cmの陶板画で、1988年に開催された「なら・シルクロード博覧会」で画家が下絵を描いて制作された同名の巨大陶板壁画に倣って制作されたものと思われます。オークションでは、予想の4.8倍となる24万円での落札事例があります。

中川 一政  作 『静物』

大正末から洋画家として活躍した中川一政は、勢いのある筆致と鮮やかな色彩で箱根の景色や花々を描いた作品で知られます。『静物』は、52.3cm×43.4cmの比較的大きめの陶板画で、予想を上回る7万5,000円で落札されました。著名な画家で、油彩などでは落札が数百万円になることもあります。陶板画では、数万円での落札が多いですが、50万円近くの落札事例も見られます。

川合 玉堂 作 『江畔夏夕』

明治後半から昭和前半にかけて活躍した日本画家の川合玉堂は、日本の美しい自然と人々の営みを描いた穏やかな風景画で知られます。『江畔夏夕』は、33.6cm×45.4cmで限定200部のみ制作された陶板画です。水辺に船の浮かんだ玉堂らしい画題が描かれていて、予想を上回っての5万5,000円での落札事例があります。オリジナルの掛け軸ならば数百万は下らない作家ですので、陶板画も、画題や状態、エディション数によっては思わぬ高額査定もあり得るでしょう。

7.陶板画作品の買取についてのまとめ

陶板画は、紙の版画や素描はもちろん、油彩画以上に退色などの状態変化が少なく、長く楽しめる点が最大の魅力です。名門窯の人気デザイナーによる作品には芸術的価値が高くコレクターに人気があり、有名画家の絵画をもとにした作品では、手軽な価格で本物に近いクオリティの色彩や質感が楽しめます。いわゆるオリジナルの絵画作品とは異なるものの、高い技術と手間暇かけた貴重な作例も多く、製作元や状態によっては高い査定額が期待できるでしょう。

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