パステル画(ぱすてるが)の絵画買取なら高額査定の可能性!SATEeee絵画買取へ

1.パステル画作品を売りたいお客様へ

パステル画は紙の上に、柔らかく明るい色のチョークのような材料(パステル)で描画する絵画技法です。独特の粉っぽく軽やかな表面と、ニュアンス豊かな中間色が魅力で、18世紀フランスのロココ時代の肖像画や19世紀末、エドガー・ドガやオディロン・ルドンなどに優れた作例を見ることができます。通常、油彩画よりも低い価格で取引される傾向にありますが、有名画家の希少な作品であれば高額の落札も望めます。

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2.パステル画についての解説

チョークの粉末など顔料を水溶性のつなぎ材で固めたもの「粘りチョーク」のうち、比較的柔かいものが一般的にパステルと呼ばれています。明るく淡い中間色で、紙に描かれ、独特の粉っぽい柔らかさが感じられるのが特徴です。柔らかく指でぼかすことができるソフトパステル、固くシャープな線が描けるハードパステル、粘り気が強く重ね塗りや掻き削りができるオイルパステルなどの種類があります。

3.パステル画についての歴史

パステルは、16世紀初め頃にはイタリアで素描に用いられていたとされ、16世紀末頃になると北ヨーロッパにも広がっていました。18世紀までは硬質のチョークが好まれましたが、次第に、パステルの発色と柔らかさが好まれるようになり、肖像画を中心に、ヴィジェ・ルブランやモーリス・カンタン・ド・ラ・トゥールなどが芸術性の高い作品を描くようになります。19世紀後半には、ドガやロートレック、ルドンなどがパステルによる優れた素描を残しました。

4.パステル画作品の特徴について

パステル画は、いわゆるパステルカラーの明るい色彩と柔らかなタッチが魅力です。美しいグラデーションや重ね塗りによる重厚感を生み出すことができ、固めのパステルを用いると細部の繊細な表現も可能です。パステルは紙に定着しにくい性質があるため、かすれや顔料の落下を防ぐためにフィクサチーフという定着剤を噴きつける必要があります。油絵に比べて退色しやすく湿度の影響を受けやすいため、長く保存するには保存環境に配慮すると良いでしょう。

5.パステル画作品の買取査定ポイント

パステル画は、油絵や版画などに比べると制作数が少なく、取引もそれほど頻繁ではありませんが、査定のポイントは他の絵画技法とほぼ同じです。作家の著名度が高く、サイズが大きくなるほど、査定額も高くなる傾向にあります。作品の来歴や出品歴、真作であるかの鑑定書などが付与されていれば、査定額は上がるでしょう。パステル画は紙に描かれますので、紙のシミや虫食いなどが無いかどうかの保存状態もポイントです。

代表的な査定ポイント
  • 著名な作家による作品かどうか
  • サイズは大きめかどうか
  • 来歴や出品歴が分かるかどうか
  • シミ、焼け、破れなどがないか
  • 額装の有無
  • 鑑定書の有無

6.代表的なパステル画作家の買取相場価格について

パステル画は現存作家の新作である場合、同じ作家の油彩画よりは低い価格で取引される傾向にありますが、著名な画家のパステル画であれば、残存している作品が少なく貴重なために高額で取引されることがあります。例えば、2018年のクリスティーズのオークションでは、ルドンのパステル作品が289万米ドル、日本円にして約3億円で落札されています。

小磯 良平 作 『婦人図』

小磯良平は昭和を通して活躍した神戸出身の画家で、人物画、特に親しみやすい女性像や群像で高く評価されました。パステルは小磯が好んで用いた画材で、作品も多く残されています。65cm×50cmの『婦人図』は、小磯良平鑑定委員会の鑑定書付で、展覧会にもたびたび出品され、作品集にも掲載のある作品です。オークション出品時には、予想の3.2倍となる480万円で落札されました。小磯の作品は、真作であれば数百万円以上、作品によっては数千万円で落札される高い人気を保持しています。

パブロ・ピカソ 作 『ミノタウロス』

20世紀のモダンアートを代表する画家であるパブロ・ピカソは長い生涯に数多くの作品を残しましたが、パステル作品は多くありません。『ミノタウロス』は、10.7cm×14.3cmと小サイズですが、ピカソが1930年代より好んで描いたモチーフが主題であり、遺族の鑑定書付で160万円で落札されました。ピカソ作品は、真作であれば素描などでも数十万円から数百万円の落札額となっていて、買取でも高額の査定が期待できるでしょう。

エドガー・ドガ 作 『Après le bain:femme s’essuyant』

印象派を代表する画家の一人であるエドガー・ドガは、浴室の女性達を描いた作品を多く残しています。そのうちの一点で、ドガ没後の売り立てに出品された作品『Après le bain;femme s’essuyant』は、94cm×50.3cmのパステルと木炭による素描で、オークションに出品されると予想の2.2倍となる1,800万円で落札されました。取引数は多くありませんが、真作絵画であれば数百万円~数千万円で、版画であっても数十万円で取引されています。

7.パステル画作品の買取についてのまとめ

鮮やかな色彩と軽やかな質感が魅力のパステル画は、油絵や版画に比べて作品数が少ないものの、18世紀以降には芸術的に価値の高い作品が生み出されてきました。ドガやルドン、小磯良平など著名な作家による作品であれば、数百万円以上の高額な落札事例も見られます。明るい暖かみが人気のパステル画は、作者や大きさ、出来栄えなどによっては、思わぬ高額の査定も期待できるかもしれません。

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