大野 麦風(おおの ばくふう)の作品を高価買取!絵画作家の査定ポイントを徹底解説!

1.大野 麦風の作品を売りたいお客様へ

大野麦風は明治時代から昭和にかけて活躍した日本画家です。魚類を愛し、魚の生態観察や描写に優れ、その生涯で多くの魚類の画を描いたことから「魚の画家」と呼ばれました。東京国立近代美術館をはじめとする公共機関に作品が収蔵されているなど高い評価を得ており、買取額も高い価格になる傾向があります。

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2.大野 麦風についての解説

1937年の『大日本魚類画集』の木版画は、大野麦風の代表作です。麦風は魚類の生き生きとした姿を描くために水族館に足繁く通いました。さらに潜水艇に乗り込んで和歌山浦沖まで行って海中の魚の生態をつぶさに観察して、細部にまでこだわり抜いて描きました。その麦風の画をもとに、原色木版二百度手摺りという技法で木版画が制作されました。1点の版画に対して、彫師が200版分の版木を彫り、摺師は版木を200回分重ねて摺るという、手間と時間をかけた緻密な技術で作られており、色鮮やかで精細な作品からは、大野麦風の情熱が感じられます。

3.大野 麦風の歴史

大野麦風は1888年に東京で生まれ、本名は要蔵といいました。初めは長原孝太郎に洋画を学び、太平洋画会や白馬会で活躍します。その後日本画に転向して、1919年の第1回帝国美術院展覧会では入選し、個展も度々開催して多くの人に知られるようになります。その後、木版画を制作するようになり、1937年に西宮書院から出版した『大日本魚類画集』では原画を制作し、その原画は代表作となっています。戦後は兵庫県日本画家連盟の委員長を務め、晩年には兵庫県美術祭にも連続して出品し、生涯画に取り組み、1976年に87歳で亡くなりました。

4.大野 麦風の代表作

  • 大日本魚類画集(1937年)

5.大野 麦風の作品の買取査定ポイント

大野麦風の作品はとくに魚類を描いた日本画や木版画に人気が集まっています。市場には木版画が多く出回いますが、肉筆画は少ない傾向にあります。肉筆画の真作で、証明となる鑑定書が付属されていれば、査定額が高くなる可能性があります。

代表的な査定ポイント
  • 人気のある魚類の作品か
  • 作品の状態は良好か
  • 正式な鑑定書が付いているか
  • 肉筆画の真作であるか

6.大野 麦風の作品の取引相場価格

ネットオークションなどでは木版画が多く確認できますが、肉筆画は少ない傾向にあります。大野麦風の作品は肉筆画も木版画も真作と確認できれば高値で取引されるようです。例えば、『大日本魚類画集』の木版画『トビウオ/飛魚』が、ネットオークションで125,000円の高い価格で落札されました。版画のサイズは縦28cm×横40cmで、経年劣化が見られる状態です。あざやかな青系の色を基調に、今にも波間から飛び出て来そうなトビウオが描かれており、大野麦風が得意とする画題の作品です。

7.大野 麦風の作品の買取についてのまとめ

大野麦風は、魚の画家として観察を重ねて魚類を描いた画家です。繊細な筆致で描かれた日本画や、原色木版二百度手摺りで制作された木版画は、非常に人気が高くなっています。お手元に大野麦風の貴重な絵画作品をお持ちでしたら高値が期待できますので、一度その価値をお調べになられてみてはいかがでしょうか。

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