祗園 井特(ぎおん せいとく)の作品を高価買取!絵画作家の査定ポイントを徹底解説!

1.祗園 井特の作品を売りたいお客様へ

祗園井特は、寛政末から文化期頃に活躍した京都の浮世絵師です。青楼井筒屋を経営し、特右衛門と名乗ったため、号を井特と称したといわれ、鴨川井特とも呼ばれます。モデルの特徴までもを描き出す迫真性をともなったアクの強い美人画で知られ、その個性は高く評価され、国内外の美術館で作品が所蔵されています。

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2.祗園 井特についての解説

祗園井特は、太い眉、目立つ鉤鼻、アイラインを引いたような瞳が特徴の、京都らしい妖艶でクセの強い肉筆美人画を数多く描きました。特に芸者や遊女の上半身を描いた大首絵において強烈な迫真性を発揮しています。モデルの個性が描き分けられ、その欠点までも容赦なく描写している点は、理想化された美人イメージを描く通常の浮世絵美人画とは一線を画します。

3.祗園 井特の歴史

祗園井特は、生没年が不明で、寛政・文政年間(1789~1830)に活躍し、生涯を京都で過ごしたとされ、円山派で美人画を得意とした山口素絢に絵を学んだと言われています。祇園町南側で井筒屋という遊郭を経営しながら、淫薬や淫具などを取り扱って身を立てていました。作品のほとんどが肉筆の浮世絵で、1827年に出版された『墨絵草紙』の口絵が唯一の版本と考えられ、人体解剖図などにも取り組みました。

4.祗園 井特の代表作

  • 本居宣長七十二歳像(1801年)
  • 野外遊楽図(1802年)
  • 島原太夫図(1815年)
  • 花魁道中図

5.祗園 井特の作品の買取査定ポイント

祗園井特の作品の買取査定では、真作であるかどうかが重要なポイントです。鑑定書が付帯しているか、署名や落款、付属の箱書きに間違いがないかを確認できると良いでしょう。祇山井特、画奴井特、鴨川井特などと号し、印には不規則な楕円形の中に「せい とく」と二行に記したものを使用しています。保存状態も重要なポイントで、本紙にヤケやシミ、虫食いが無く、表装が美しいものほど高く評価されます。

代表的な査定ポイント
  • 代表的な美人画であるかどうか
  • 署名や落款が本物であるか
  • 正式な鑑定書が付いているか
  • 保存状態は良いか
  • 桐箱などが付属しているか

6.祗園 井特の作品の取引相場価格

祗園井特は、作品自体が稀少なためか、買取事例がほとんど公開されていません。しかし極めて個性的な画家として認められているため、国内の画廊や古美術商でも積極的な買取が見込めます。海外のオークションにも出品例があり、1998年のクリスティーズでは、文化期に制作されたとされる114.8cm×37cmの掛け軸『三味線を持つ芸者』が予想を上回る6,325米ドル(約68万円)で落札されています。

7.祗園 井特の作品の買取についてのまとめ

祗園井特は、寛政末から文化期頃に活躍した京都の浮世絵師で、独特の艶麗さを持つ美人画で人気を博しました。生没年や師弟関係などに不明な点が多いものの、少なからぬ愛好家がおり、また日本国内だけでなく海外の美術館などにも収蔵されています。海外のオークションなどでは数十万円で落札されることもあります。作品をお持ちの方は、ぜひ一度、査定を検討してみてはいかがでしょうか。

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